研究会について

核融合科学研究会設立趣意書

未来の究極のエネルギー源として期待されている核融合の研究は、世界の多くの国々で長年にわたって開発がすすめられてきており、その実用化に向かって着実に前進しております。

我が国は現在この分野の先導的立場をしめており、今後本格的開発段階を迎えて、我が国に対する国際的期待はすこぶる大きいものがあります。このような状況の下で、我が国の大学における、核融合研究の中枢的役割をになう全国の共同研究機関として、文部省直轄の核融合科学研究所が、名古屋大学プラズマ研究所を改組転換し、さらに京都大学ヘリオトロン核融合研究センター、廣島大学核融合理論研究センターの一部を統合してこのたび設立されました。

この研究所におきましては、世界に先駆けて定常炉として優れた特徴を持つ大型ヘリカル装置の建設を中心に、広く国内・国際的共同研究を実施し、これらを通じて核融合研究の一層の進展が図られることと期待されております。

このような大型プロジェクトを推進する過程において開発される技術は、やがてわが国の産業界にも移転され産業自身の活性化を促すとともに、核融合研究の国際的拡がりを通じて、我が国の産業界の実力を国際的に認知させることにも繋がるものであります。

そこで、核融合科学研究所と産業界との技術交流を図るとともに、研究所の国際活動を支援し、併せて研究を支援する国民の世論を喚起するなどの活動を通じて、この大型プロジェクトを一層発展させて実りあるものとするため、核融合科学研究会を設立致したくぞんじます。

核融合分野における科学技術の振興にご理解いただき、ここに関係各界の代表のご参加をお願い致す次第でございます。

関係各位におかれましては、以上の趣旨をご賢察いただき、何とぞご賛同を賜りますようお願い申し上げます。